Social Computing / Computational Social Science:コンピュータで組織や社会を分析し、よりよい制度や仕組みを社会実装しよう

研究室紹介

本研究室は、コンピュータの力によって人間の社会的思考能力を拡張し複雑な問題を解いたり,コンピュータを用いて社会、組織、および人間行動の社会科学的な分析をおこなうことを目的に,教育・研究活動をおこなっています.

したがって,研究室のメンバーは

する方法の考察や創出,可能ならば、アプリケーション、プロトタイプ(アイデアのデザイン、3Dプリンタ、VR)の作成を目標に、情報技術、経済学、経営学を融合させて学んでいきます。

さらに、主に社会人院生を対象に,情報技術を生かしたビジネスモデルの構築(経営情報システム)についての教育・研究もおこなっています。ベースとなる理論は、経済学、経営学などの社会科学全般です。

最近の課題としては、ICTの力を活用した社会の仕組みづくり、ソーシャルデザインやソーシャルイノベーションにも取り組んでいます。

担当講義「経営情報」のススメ

ここ15年間の、情報機器の劇的な進化と、情報ネットワークの爆発的な発展は、全世界の人々および組織・企業を、リアルタイムで双方向につなげることを可能にしました。例えば、あなたが持っている携帯電話ひとつで、全世界から情報を受け取ることはもとより、自分から情報を発信することが可能です。

さらに、最近では、新聞やテレビ等の伝統的な大規模メディアに対抗するかのように、インターネット上のブログ、SNS、掲示板等における人々の口コミが、人々の行動を大きく左右するようになっています。 こうしたインタラクティブで双方向の新しい情報メディアの形態(ソーシャルメディア)を、企業における効率的な情報システムの構築、商品開発、そしてマーケティングに応用しようという考え方(Enterprise 2.0)が当たり前になっています。つまり、洪水のように増える情報を、いかに効率的に処理して、競争相手よりも一歩先んじるかということが、現代のビジネスにおいて、非常に重要なポイントとなっているのです。

 以上のような社会認識と、その学問的な裏づけをしっかりと確認しながら、情報通信機器やソフトウェアを縦横無尽に使いこなすスキルを身に付けるのが、わたしの担当する「経営情報」の目的です。みなさんの積極的なチャレンジを期待しています。

研究者情報(Researchmap)

研究室主催者の経歴、業績、学会活動等について

新聞記事およびサイト記事

本研究室の教育研究活動が、難しい専門用語を使わずにまとめられています。

学部受験生向け

中部経済新聞オープンカレッジ

コミュニティ活動

大学教員という肩書きを外しての活動です。

過去に、オープンソースカンファレンスWordCamp Nagoyaの実行委員長を務めました。

地域のコミュニティを通じて、フリー・オープンソースソフトウェア活用の啓蒙に努めました。

教育と研究の概要

等の分野について,手を動かしながら学びます.

大学院博士前期課程

経営情報システム、経営戦略(IT寄り)、およびITの経済分析を学ぶことを希望する学生を募集しています。社会人ゼミ生も歓迎します。

企業情報システムおよびWebビジネスを,経済学,経営学,マーケティング,組織論,心理学等の知見からレビューします.

過去の修士ゼミ生研究テーマとしては、以下のものをとりあげています。ITとビジネスが接合するテーマが大部分です。

大学院博士後期課程

ITと経済・経営という学祭分野の研究者を目指す人のみならず、生涯をかけて、いろいろな物事や社会の出来事を探求したい、というマインドを持った人を歓迎します。

研究生

大学の募集要項を確認して、研究室に問い合わせてください。

研究員

原則、修士以上の学位を持った方を研究パートナーとして受け入れます。2019年度現在、社会人の方4名(うち本研究室OBが3名)が研究室に所属しています。

研究室所属学生の進路(過去10年程度)

最近の研究室の活動について

Everything as a Serviceという考え方

あらゆるもの(X)をサービスとしてネットワーク経由で提供する—XaaSというビジネスの手法に注目が集まっています。これは、(特に若い)消費者の関心が「所有」から「利用」に移っていることと軌を一にしています(シェアリングエコノミー)。XaaSというビジネスの手法は、モノの価値はサービスと包括的に考えるべきという、サービス・ドミナント・ロジックという考え方にも類似しています。さらに、こうした時代には、企業と顧客が一緒になってモノやサービスの価値を生み出すという、価値共創ビジネスデザインという思考法が重要になってきます。

例えば、MaaS(マース)は、クルマというモノを売るのではなく、移動(Mobility)というサービスを売るという考え方です。本研究室では、同分野における産学連携(相手は企業中央研究所および大手自動車ディーラー)による価値共創活動を2013年頃から続けています。

Xテック — フィンテック、リテールテック、アグリテック、etc.

クラウドファンディング(’15年度修士の指導)からはじまり、最近ではキャッシュレス社会の研究を、電子マネーや仮想通貨(暗号資産)の理論的な背景の探求や実地調査(例、飛驒高山地区)を中心としておこなっています(フィンテック)。また、その改ざん不可能性とトレーサビリティに特徴があるブロックチェーンの応用事例(’17年度修士の指導)についても指導・研究をはじめました。今後は、地域金融機関等との実践的な共同研究を計画しています。

スマートシティ

スマートシティの根本には、デジタライゼーションの力を活かして街を全体最適化するという考え方があります。本研究室の学部ゼミではスマートシティの現地調査を毎年行っています。2017、2018年度は地域仮想通貨の調査を中心に高山市、2019年度はリテールテックとMaaSの調査を中心に福岡市にてフィールドワークを行いました。

経済・経営シミュレーション

システム・ダイナミックスエージェントベース・シミュレーションは、それ自体が学問分野でもありますが、本研究室では、グループもしくは個人的なミクロの現象と社会的なマクロの現象をつなぐ分析のためのツール(道具)として活用しています。応用の対象としては、主にイノベーションの普及少子高齢化社会における人口移動・増減を扱っています。

経済・経営分野におけるプログラミング

人工知能が社会経済へ与える影響を分析するためには、データ分析や機械学習の理解が必要です。また、ビジネスアイデアの社会実装を目指すためには、コンピュータ言語のマスターが必要です。本研究室ではJavaScript、R、Pythonの修得を目指します(メンバーはオンライン講座を受講)。もちろん、その他の高級言語も扱います。

群衆の叡智とは — ソーシャル・コンピューティングおよびヒューマン・コンピューテーションの活用

予測を証券と見立てて売買をおこない将来を予測する—予測市場の研究を主として、多数の人々の意見や知識をオンラインで集約し、より高度な知性を生み出す—集合知の研究をおこなっています。WordPress等のCMS(コンテンツ管理システム)やオンラインプラットフォームを使った実践的な集合知の研究も10年以上に渡っておこなっています。より一般的な集合知の研究対象として、クラウドソーシングリモートワークも重要なテーマとして扱います。

三遠南信(三河、遠州、南信州)地域の起業支援

名古屋、豊橋、浜松、および飯田近辺のベンチャー、起業志望者との緩いネットワーク(対等な目線)で起業を応援しています。なお、社会人院生を含め、本研究室から過去に8名ほどが起業しています。

©名古屋市立大学 大学院経済学研究科 河合勝彦研究室